実家の部屋の整理をしてたら、クイック・ジャパン38号(2001年8月発行)が出てきた。大塚幸代ちゃんが企画した「解散10周年記念特別企画 ノー・モア・フリッパーズ・ギター」が掲載された号である。
僕は「これから“
フリッパーズ・ギター”を聴く人のためのディスクガイト」を執筆したのだが、その中で1991年のクラブ・プレイリストを紹介した。読み返すと懐かしくも笑える内容だったので、再録してみたい。
~~~~~~~~~以下、再録~~~~~~~~~
今でこそ“クラブ”は、普通に遊びに行く場所の一つになったが、80年代はなんか恐くてヤバイ場所というイメージが強かった。それが90年代になってから、いわゆる
マンチェスター・ブームの伝来、そして
フリッパーズ・ギターの登場によって、英国の音楽を回すクラブ・イベントが急速に増えた。
当時、
パーフリ・ギャル&男子が必ず行っていたのが、今は亡き下北沢のZOOでやっていた“LOVE PARADE”。DJは、CLUE-Lレーベル代表でライターの
瀧見憲司氏。後にジャズやソウルまで幅を広げた氏の選曲眼は、まさに90年代の
渋谷系ポップスの変遷そのものだった。その眼は、時として、回っている盤をチェックしようとDJブースを覗く客を、鬱陶しそうに睨み返すものになったが。
そんな瀧見氏に負けじと(?)、素人DJによるクラブ・イベントも数多く開かれた。僕も当時、そんな素人DJのひとりで、心のベスト15はこんな曲だった…って、それはスチャダラ&
オザケンか。
●当時の典型的イベント・サンプルを誌上再現!!
「クラブでレッツ・ダンスまたは
パーフリ・ギャルのハート鷲掴み計画」
まずは、当時Budahレーベルのコンピにしか収録されていなかった前奏の長いバージョンで、ギャル&オタクの心を鷲掴み。
2.Delilah Sands/The Brilliant Corners
“パッパッパラッパ”コーラスに合わせ、トンボの眼を回す仕種を両手でやるのがお決まり。
3.Yeah!(Single Version)/International Resque
アルバム・バージョンは良くないので、7inchで回すのが通。
4.Dying For It/The Vaselins
サビの“Ah~, Haging On”で絶叫する野郎多し。
5.Beatnik Boy/Tallulah Gosh
思わずタテノリ跳ねをしてしまい、「あの娘、元ビーパンよ」と後ろ指さされ、赤面するギャル。
聖歌隊のようにみんなでサビの“There she goes~”を大合唱。
コーラスの“ア ハァン”でスカートをまくる真似をするプチ・セクシー・ダンスが一部ギャルの間で流行。
8.Nothing Can’t Stop Us/Saint Etienne
アンニュイ気取りで、カウンターで頬杖ついてた
カヒミ・カリィ似のあの娘もこの曲だけは踊ってくれた。
ボビー・ギレスピーの真似をして体をクネクネさせる野郎。それを見て「あいつボビ男よ、気持ち悪い!」と、ひくギャル。
とりあえず、みんなマスカラふるでしょ。
11.Three Cheers For Our Side/Orange Juice
「
パーフリの1stのタイトルにもなってるし」と回すが、ギャル受けせず、後悔。
12.The Camera Loves Me/The Would-Be-Goods
ベレー帽ギャル殺しのこの曲で、
ネオアコDJの面子を取り戻す。
13. Jacob’s Ladder/The Monochrome Set
曲のエンディング間際のドラムだけのパートはみんな手拍子。
さぁ、“Boy meets girl~”で、みんな片手を上げて!
サビになると、みんな両手を広げ満面の笑み。
「いま午前3時です」とニクい選曲(と思っているのは自分だけ)で逃げるDJ
トオルa.k.a. スケルであった。
bossa nova 1991 shibuya scene retrospective
- アーティスト: オムニバス,カヒミ・カリィ,Oh!Penelope,オリジナル・ラヴ,FLIPPER’S GUITAR,渡辺満里奈,ピチカート・ファイヴ,LOVE TAMBOURINES,les 5-4-3-2-1,前園直樹,トーキョーズ・クーレスト・コンボ
- 出版社/メーカー: 日本コロムビア
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