緊急事態宣言から5年後の4月7日にあなたなら何の曲を捧げますか?

5月26日。緊急事態宣言が全面解除されたが、僕は偶然にも休業日。テレビのニュースやSNSに流れてくる情報程度しか社会の状況はわからない。地元の街は営業再開を告知する飲食店がちらほら見られ、近所の神宮も参拝できるようになったのでお参りしてきたが、…

自分的YMO40周年~ハジレコもハジライブもYMO

先日、YouTubeでYellow Magic Orchestraの2008年のロンドン公演が配信されたが、今年2020年は自分がYMOを初めて聴いてから40周年であることに今更気づいた。 「ハジレコ=初めて買ったレコード」についてSNSで話題になることがあるが、僕が10歳の時に初めてお…

私たちの望むものは

私たちの望むものは 生きる苦しみではなく 私たちの望むものは 生きる喜びなのだ 私たちの望むものは/岡林信康 緊急事態宣言が出されて三週間。僕は相変わらず出勤し、通勤時に音楽を聴き気に入ったものがあればツイートし、オンラインショップの職場に着い…

そっちはどうだい うまくやってるかい

そっちはどうだい うまくやってるかい こっちはこうさ どうにもならんよ 今んとこはまあ そんな感じなんだ 青春狂走曲/サニーデイ・サービス 緊急事態宣言が出されてから二週間が経った。外出自粛要請は全国に拡大したが、僕は相変わらず出社している。朝、…

音楽はなんのために 鳴り響きゃいいの

音楽はなんのために 鳴りひびきゃいいの こんなにも静かな世界では こころふるわす人たちに 手紙を待つあの人に 届けばいいのにね 新しい人/フィッシュマンズ 緊急事態宣言が発表されてから一週間が過ぎた。子供のいない共働きで互いの仕事の性質上リモート…

2019年ベストアルバム

「『アルバム』って…覚えている?」 「アルバムは、今も、重要だ」 「本や映画や大切な人との他愛もない長話と同じように。アルバムは、今も重要だ。今年も、これからも…。2019年ベストアルバムです」 (プリンス 2015年グラミー賞アルバム賞スピーチ adapte…

小出亜佐子さんとの最初で最後の一夜の思い出~ミニコミ「英国音楽」とあの頃の話とFAKE HEAD's NIGHT

小出亜佐子さん著の『ミニコミ「英国音楽」とあのころの話 1986ー1991』を発売日に購入し「ひょっとしたら」といちばん最後の章「第10章 She Said Yeah! 東京ネオアコ・スモール・サークル・オブ・フレンズの大躍進 1991」を真っ先に開いた。「大塚幸代さん」…

彼方からの手紙

お元気ですか いかがお過ごしでしょうか? こっちはバズることも炎上することもなく 相変わらずツイッターやってマウス 楽しいと言えば楽しいような マンネリと言えばマンネリのような 渋谷系おじさんって FF外でディスられてるかもだけど 結局好きなものに…

2019年上半期ベストアルバム~CD3枚サブスク6枚

今更だがこないだツイートした2019年上半期ベストアルバム9枚。 When I Get Home/SolangeNice To Meet You/Pi Ja maLucid /RaveenaFear Gorta/Fear GortaHochono House/細野晴臣35 mm/Juan Fermin FerrarrisQuartetto Sentinela/Quartetto SentinelaT…

#平成の邦楽30枚(諸事情により26枚)

●平成元年(1989年) JOY/山下達郎 ●平成2年(1990年) カメラ・トーク/フリッパーズ・ギター ●平成3年(1991年) 女性上位時代/ピチカート・ファイブ ●平成4年(1992年) 結晶/オリジナル・ラブ ●平成5年(1993年) 犬は吠えるがキャラバンは進む/小沢…

「マーシャンズ・ゴー・ホーム」最終回の真実

フリッパーズ・ギターが1990年4月から1年半の間、FM横浜で毎週火曜日の19時30分から30分ほどパーソナリティーをつとめていたラジオ番組「マーシャンズ・ゴー・ホーム」。クイック・ジャパンvol. 38(2001年8月28日)で当時ディレクターであった鈴木一男氏の…

1991年10月26日 僕らは少し早いフリッパーズ・ギターの「お通夜」をした

フリッパーズ・ギターのヘッド博士の世界塔が発売された1991年の夏休み。アルバイトをしていたレンタルレコード屋のバイト仲間の女の子に「フリッパーズのファンジンを作っている子達と知り合ったんだけど会ってみない?」と誘われ、FAKEのN嬢と大塚幸代ちゃ…

僕らはそもそも何時に生きるのか

先日、ツイッターから「あなたがツイッターを始めて3年経ちました」と通知があった。 ツイッターが始まった2006年当時はミクシィをやっていて、暇さえあればしょっちゅう買ったレコード・CDや行ったライブやクラブで回したことを日記に書いていた。「(日本…

燃え殻ならぬ燃えかす

1992年10月16日。僕は所属していた音楽サークルが発行していた同人誌に「no more words コトバニデキナイ」と題した原稿を書き、最後にこう綴った。 この夏に、僕はなんとか就職を決めた。印刷機材を販売する代理店だ。友人の何人かは僕がDJ/ライターにでも…

プリファブ・スプラウトの音楽 ー 永遠のポップ・ミュージックを求めて

「“アルバム”って、覚えているかい? “アルバム”は、今も重要だ。本や黒人の命と同じように」。 2015年のグラミー賞授賞式で最優秀アルバム賞のプレゼンテーターとして登場したプリンスは、会場の聴衆に向けてこう語りかけた。80年代、プリンスは「Purple Ra…

書けぬ、どうしても書けぬ。

今年に入ってから3ヶ月近くブログを更新していなかった。 そもそも個人的な音楽語りが主なのだから、ツイッターがあれば事足りるのだが、やはり140字では言い尽くせないこともある。とは言え、ある程度の文少量を書くためには時間が必要になる。編集者をや…

私的2016年ベスト音楽トピック

2016年が終わる。テン年代以降、レコード・CDをあまり買わなくなり、中古CD査定業をしているくせに今の音楽シーンをまったく知らない。スマホにAWAを入れているが作るプレイリストはさんざん聴いたものばかりだ(Apple MusicでもSpotifyでもないところがまた…

私的・90年代洋楽アルバム・ベスト10

90年代はアルバムより12インチ・シングル、しかもリミックス盤ではなく、4曲入りミニ・アルバム的なものが好きだった。さらに遊びでDJをやっていて、60~70年代のジャズ、ソウル、ブラジルの中古盤を漁っていたので、時代感覚がかなり麻痺している。でも、90…

80's洋楽ポップスの栄華の終焉後、リズム帝国を築いた女帝~ジャネット・ジャクソンと80's ディーバたち

ジャネット・ジャクソンと80’sディーバたち (星海社新書) 作者: 西寺郷太 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2016/09/22 メディア: 新書 この商品を含むブログ (1件) を見る 1983年4月。僕は中学生になり、洋楽を聴こうと思った。小学生の時にY.M.O. にはまっ…

私的・90年代邦楽ベスト・アルバム20

90年代。僕は20代で、編集者として働きながら趣味でDJをやっていて、渋谷にはCDショップやレコード屋がいっぱいあって、バカみたいにたくさんCDを買っていた。そんな時代から邦楽だけとはいえ、ベスト20を選ぶのはなかなか難しいが、Twitterで相互フォローし…

四半世紀経ったら誰も覚えていないから~ツイッターで風船が飛んだ日の覚え書き

プロレスモデル小説を発表した作家の樋口毅宏さんが必ず言ってることだが、「3年経ったら10代は知らない。ましてや30年経ったら誰も覚えていない。だから、今、自分が書きとめなければならない」――。これは全てのジャンルに言えること。— 水道橋博士 (@s_hak…

Don't Believe Pizzicato Hype, But I Love Pizzicato Hype.

ピチカート・ファイヴの「カップルズ」と「ベリッシマ」が約30年の時を経て再発された。というわけで、いつもの思い出話。「女性上位時代」が発売された1991年に、大学の音楽サークルの機関誌に書いた文章。 ~↓以下、再録↓~ 男の子ー女の子がなくした欠片…

THAT’S MISSERABLE ENTERTAINMENT!~1991年のモリッシー来日公演再録

Twitterでモリッシーが来日することを知った。今から約四半世紀前、モリッシーは初来日を果たした。あの頃はその後何度も来日するとは思わなかった。というわけで、いつもの思い出話。大学生の頃所属していた音楽サークルのファンジンに書いた、1991年9月1日…

小沢健二のライブがGターr ベaaス Dラms キーeyズであった所以

6月12日、Zepp Diver City で小沢健二のライブを見 ることができた。小沢健二がソロ・デビューして四半世紀近く経つが、1993年、日比谷野外音楽堂でのデビューフリーライブは並んだが会場に入れず、小雨が降るなか、漏れる音を外で聴いて以来、なんとなく見…

二年足らずの転校生~2016年はフリッパーズ・ギター25周忌

これから夏休みという一学期の終わり、僕が通う学校に、急に男子の二人組が転校してきた。 二人は、これまで僕らが見たことのないお洒落な格好をしていて、僕らが知らない音楽や映画をたくさん知っていた。二人は瞬く間にクラスの人気者になり、大人である先…

僕の東京レコ屋ヒストリー

若杉実さん著『東京レコ屋ヒストリー』を読み終えた。日本最古の輸入レコード店から、1970年代の海外買い付け事情、1980年代に拡大した輸入レコード屋の栄華、1990年代の“渋谷系”を産んだ宇田川町のレコード屋の争い、そして現在一部でまた盛り上がりつつあ…

町の中華料理屋さんが好き

妻が出かけていたり、残業で遅くなると、大抵中華料理屋で夕飯を食べる。中華料理屋と言っても、本格的な店ではなく、日本人または在日の中国人が経営している町の中華料理屋。天津飯、タンメンといった本場の中国にはない、日本人が考案したメニューがある…

なぜ今さらブログを始めたのか~人生は驚きの連続だ。

2015年が終わる。振り返ってみれば、今さらブログを始めるとは思っていなかった。きっかけは、ライターの大塚幸代ちゃんが亡くなったこと。彼女の訃報があってから、ネットに垂れ流される書き込みを見ていたが、クイックジャパンでオザケンの追っかけをした…

僕の下北沢ものがたり~early 90’s~

この間、祖師ヶ谷大蔵にライブを見に行った帰りに下北沢で乗り換え、井の頭線に乗ろうとしたのだが、複雑な地下の迷路で困惑した。考えてみれば、下北沢の駅が地下になってから行っていなかった。 僕が下北沢にいちばん行っていたのは、90年代の始めの頃。通…

クラブでレッツ・ダンスまたはパーフリ・ギャルのハート鷲掴み計画~1991年のクラブ・プレイリスト再現

実家の部屋の整理をしてたら、クイック・ジャパン38号(2001年8月発行)が出てきた。大塚幸代ちゃんが企画した「解散10周年記念特別企画 ノー・モア・フリッパーズ・ギター」が掲載された号である。 僕は「これから“フリッパーズ・ギター”を聴く人のためのデ…