星野みちる 黄昏流星群 11/2 Club Asia ~元・渋谷系男子(?)の初のアイドル・ライブ体験記


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11月2日、渋谷のClub Asiaで初めて星野みちるのライブを見た。アイドルのライブを見るのもこれが初めてである。

これまでいろんな音楽を聴いて来たが、アイドルに夢中になったことは一度もなかった。松田聖子が人気だった小学生の頃はYMOに夢中で、アイドルを聴くのは幼稚だと自分もまだガキのくせに思っていた。それが後に作詞が松本隆で、細野晴臣も作曲していたことを知り、聴き直して改めて良いと思った。

星野みちるを知ったのも、実はつい最近のことで、シングル「夏なんです」の作詞・作曲が小西康陽であることに興味を持ち、聴いてみたら見事にハマった。さらにヤン冨田のDOOPEESの「窓から」をカバーすることに驚き、アルバム『YOU LOVE ME』を発売日に購入し、これまたハマった。製作陣が豪華なのに1曲目の「ディスコティークに連れてって」が星野みちる自身の作曲(作詞ではないのもめずらしい)であることにまたもや驚き、しかも某アイドルグループのディスコソングよりはるかに良かった(彼女はその某アイドルグループの第一期生なのだが)。要するに音からハマったわけで、自分はドルオタではないと言い訳がましくなるのは、嫁が「アイドルばかり聴かないで」と思っているからである(これはNeggiccoか)。

と相変わらず前置きが長くなったが、星野みちるのライブ、何しろ初めてのアイドルのライブなので、ペンライトはやはり必要なのか、振り付けや掛け声を予習しなくても大丈夫か、そもそもどんな格好で行ったらいいのかといろいろ悩んだが、ライブは「音を生で聴きたい」から行くのであってアイドルも同じことだと開き直り、いつものようにアルバムを聴き込むだけにした。

会場のClub Asiaに開場時間の18時に着くとすでに列ができていた。年齢層は高め、男性が圧倒的に多い。入場後、物販でライブ会場限定販売のスクーターズとの共演アナログシングル「東京ディスコナイト」(カップリングは「恋するフォーチューンクッキー」)を買い、ドリンクを飲みながら後方で開演を待つ。悪天候の平日ではあったが、開演後には会場はほぼ満杯になった。

定刻の19時に星野みちるが登場しライブがスタートするが、カラオケと前方の客のペンライトにやはり違和感を感じ、乗りきれない。それでも好きな「夏なんです」になると自然に体が動きだし、ゲストの矢船テツローのピアノをバックに歌ったジャズ・テイストの「MISTY NIGHT, MISTY MORNING」、“日本一ブリティッシュなシンガーソングライター”の松尾清憲(祝30周年!)とのデュエット「My Tiny World」でかなりのめり込む。

衣装換えした第二部からはワックワックリズムバンドのメンバーを中心にした流れ星楽団をバックに従え、のびのびと楽しそうに歌う。やはり生演奏の方が自分にはしっくりくる。特にホーンセクションがあると楽しくなる。星野みちるのヴォーカルもカラオケの時より安定しているように聴こえる。「腰抜け男子にアイラビュー」「ディスコティークに連れてって」は、かなりの高揚感があった。

アンコール後、サプライズで10周年記念の花束贈呈があった(所属レーベルの社長が●元康のお面を被っていて笑えた)。アイドルの低年齢化による活動年齢の限界=卒業が早まるなか、星野みちるはすでにキャリア10年のベテランなのだ。彼女が今後シンガーソングライター色を強めていくのか、松田聖子のように永遠のアイドルでいるのかはわからないが、そのどちらでもない不思議な立ち位置の歌手でいるのが星野みちるの魅力なのではーーと感じたライブだった。


YOU LOVE ME

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