「小西康陽、小西康陽を歌う」アンコール公演 3月1日まほろ座


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白のタートルネックに三つボタンのグレイのスーツの小西康陽がステージに登場。「一曲目は写真撮影許可」と「東京は夜の七時」の演奏を始めたものの、♪東京は夜の七時~とサビのワンフレーズを歌っただけで終わり。最近のライブの定番曲「ゴンドラの歌」、吉岡忍の「あんなに愛しあったのに」、夏木マリの「動物園にて」と昨年11月のまほろ座のライブでもやった曲が続くが、「アンコール公演だから同じ曲をやるんですかと言われカチンときた笑」と言い、なんとピチカート・ファイヴの2枚目のシングルで初の作詞作曲作品の「アクション・ペインティング」。メドレーで「戦争は終わった」をやったのはロシアのウクライナへの軍事侵攻から一年経ったからか。ミズノマリの「結婚しようよ。」、ピチカートの「君みたいにきれいな女の子」、そして野宮真貴が三代目ヴォーカリストになって初のマキシシングル「最新型のピチカート・ファイヴ」の「ラブソング・ラブソング」。

 

弾き語りで夏木マリ「むかし私が愛した人」、スパイダーズの「いつまでもどこまでも」(3月1日はムッシュかまやつの命日で今年は七回忌)、矢舟テツローの「きみには歌いたいことなんてない」を歌い、一度ステージを去ると続けて矢舟テツロー・トリオが「きみには歌いたいことなんてない」。「今日は小西康陽小西康陽を歌うなので」と田島貴男がヴォーカル時代のピチカートの「日曜日の印象」。

 

三つボタンのスーツにワイシャツ・首にバンダナを巻いた小西康陽がステージに再び現れ「後半はノリノリで」と観客に手拍子を求め髪を振り乱すほどはしゃぎながら観月ありさの「パリの恋人/トーキョーの恋人」、「練習でうまくいったためしがない」と言いながらも見事なジャズ・アレンジでキメたピチカートの「衛星中継」、高浪敬太郎ヴォーカル曲の「憂鬱天国」からメドレーで「アロハ・オエ・ブルース」とピチカート・マニア泣かせの選曲で盛り上げ、前回のライブでも好評だった「陽の当たる大通り」、「グッバイ・ベイビイ&エイメン」で本編は終了。

 

アンコールの一曲目はやはり信藤三雄がリーダーだったスクーターズの「かなしいうわさ」。曲の終わりの方で観客に「できたら黙祷してください」。カヒミ・カリィの「私の人生、人生の夏」の後、ピアノの弾き語りで「サンキュー」「マジック・カーペット・ライド」をショートver.でメドレーで歌い、ライブを終えた。

 

一曲ごとにエピソードを披露する形式で前回以上に喋ったので2時間半。オフレコ的な秘話も多くそれにいちいち「俺知ってる」的な笑いで反応する業界人が正直不快だったのでここでは細かく触れたくない。ただ、「何を見ても聞いても信藤さんのことを思い出してしまう」「僕は信藤さんに恋をしていたのかもしれない」とハンカチで涙を拭う姿を見て、当たり前だが私のような単なるファンでは図りし得ない哀しみが今もなお続いているのだろうということだけは記しておく。


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