vibe chant ーメロウなチルにしてくれー


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昨年9月にBar DoctorHeadでのあーるさんのラウンジDJにお邪魔して以来、ほぼ月に一回Bar DoctorHeadで回す機会を頂くようになりましたが、久しぶりにやってみるとやはり自分でもイベントを企画したいという欲が出るのがDJの性(さが)でしょうか。

 

私が90ー00年代に主催していたイベント「vibe chant」ではレギュラーDJ3人+ゲストDJ1人の4人で22時~5時まで回していました(ゲストは1時間でレギュラーDJは一人1時間を2セット)。ちなみにレギュラーDJの一人がかなりの飲んべえで酔いつぶれ、私が代わりに2時間回す羽目になることもありました。それでもどうにかなったのはこの頃はソウル、ジャズ、ブラジルなどのレアグルーヴを回していて長尺で楽曲の構成に起伏があり、切りどころが難しかったため、フルでかけることも結構あったからです。「vibe chant」のアンセムだったマリーナ・ショーの「Woman Of The Ghetto」は9分58秒でした(タイトル通りゲットーで厳しい暮らしを生きる女性の切実な思いが込められた曲なのですが英語の歌詞を理解しない私たちDJとお客さんは明け方の5時にこの曲で踊り狂っていたアホでした)。

 

一方、今のイベントのスタイルの持ち時間20~30分で盛り上げるためにアゲめの選曲にするとどうしても一本調子のBPMになりがちで、私が好きな「序破急」の選曲の流れが作り難いという悩みも正直ありました。

 

言い訳がましくだらだら書きましたが、要するに自分のわがままがを通したいのなら自分で企画すべきだ、それならイベント名は「vibe chant」に決まってると思い立ったわけです。とはいえ、かつて一緒に回していたメンバーはもうDJをやっていないしなぁとは思っていたところ、私がTwitter(現X)でフォローしている音楽家のsuppa micro panchopさんが「今月DJの予定が無い」と投稿しているのを見かけ、ひょっとしたら…とお願いしたところ快諾頂き、急遽イベント開催ニ週間前の4/8にBar DoctorHeadを予約しました。

 

実はスッパさんのDJは実際には一度しか聴いたことがなかったのですが、CDJを駆使したトリッキーなプレイスタイルに一聴惚れしました。それにスッパさんは私が大好きな音楽家竹村延和のレーベルchildiscからデビューアルバムをリリースしています。スッパさんに「竹村延和の1stみたいなメロウで少し踊れるぐらいのチルな曲をかけたい」とメッセージを送ったところ、「来てくれるお客さんがイメージできるよう明確なテーマがあった方がいい」とアドバイスをもらい、某曲をもじった「メロウなチルにしてくれ」を思いつきました。

 

その結果、持ち時間一時間で私の選曲はこうなりました(曲順はうろ覚え)。

 

Tude O Que voce Podia Sel / Milton Nascimento

For Tomorrow / 竹村延和

Bebe / Hermeto Pascoal

Too Pure / Cornelius

毎日の環境学 / 小沢健二

Magic Journeys / Disney Studio Chorus

Prema Redentor / The Underwolves

Love is... / Calm

War & Peace / 坂本龍一

Love Is Everywhere / Pharaoh Sanders

Free as the Morning Sun / Mr. Hermano

Spritual State / Nujabes fea. Uyama Hiroto

Spotifyにある曲のプレイリスト【B2B】含む)

https://open.spotify.com/playlist/4qIyOHg9hqQhmuAC1HCmBD?si=n_Qr3l0nRwSdF4t5ZWPPBA&pi=a-nyJMTsEpTCeB


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Bar DoctorHeadでのイベントなのでCornelius小沢健二は選曲しましたが、両曲ともこれまでのDoctorHeadではかかったことがない、今回の「メロウなチル」に合った曲を選びました。特に小沢健二の「毎日の環境学」はクラブでかかるどころか小沢健二ファンの間でもあまり話題にならない曲だと思います。何しろヴォーカル無しのインストですから。他の曲も90年代に起きたジャズで踊るブームがラテンやブラジルなどの民族音楽を取り入れ、さらには同時代のドラムンベース、ヒップホップ、アンビエントなどの音楽と融合していった流れを汲む曲を中心に「メロウなチル」という解釈のもとにセットリストを組み立てました。

 

自分のDJを終え、スッパさんにバトンタッチしましたが、私が回していた時との音の鳴りの違いに正直驚きました。ミキサーの高音・中音・低温のイコライザーを曲ごとに小刻みにいじり、曲の音の最適のバランスを瞬時に調整するのはさすがで、自分で音楽を作る人は違うと唸らせるプレイでした。


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(スッパさんのspotifyにある曲のプレイリスト)

https://open.spotify.com/playlist/7G71xfUT99stLTbdLWKr9z?si=mpD2MW_DSBatL_fTXBtDRw&pi=a-q7nan1djSOiL

 

最後はスッパさんと私で30分ほどB2Bをやったのですが、これがめちゃめちゃスリリングで楽しかった! 特に私のクレモンティーヌの「Pillow Talk」にスッパさんがまさかのTLCの「Waterfall」でつなぎ、Nujabesの「Luv(Sic pt3)」でつなぎ返したら今度はキセルの「夏が来る」という予想外の流れは、私がB2Bを経験したなかで一番燃焼したと言っていいほどのもので、いい勝負の試合をやり終え互いに称え合うスポーツマンみたいな気持ちになりました。


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最後はコーネリアスのあなたがいるならで締めました。

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結果としてBar DoctorHeadで開催されるイベントとしてはかなり異色なものになり、ちょっとわがままにもほどがあったかと心配になったのですが、DoctorHeadのやなぎはらさんに「良いイベントでした」と言って頂き安心しました。

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DJを快諾頂いたスッパさん、平日の月曜にも拘わらず来場頂いたお客様の皆さん、急な開催を引き受けてくれたBar DoctorHeadのやなぎはらさん、当時のフライヤーの「vibe chant」の文字を再現し新たにフライヤー作ってくれた私の妻、ありがとうございました。また「vibe chant」でお逢いしましょう。

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