明日に向かって捨てろ‼

Twitterでこんなニュースを見かけた。


「ライバルは4次元ポケット」という見出しに、ドラえもん世代なので興味を引かれたが、単なる倉庫サービスで、スマートフォンで荷物を預けるための段ボール手配、持ち物の管理、預けているモノの管理ができ、預けたモノは倉庫で撮影される写真でいつでも閲覧が可能なことがウリのようだ。

結婚を機に、独り暮らしをしていた頃に山積みとなったレコード&CD、本&漫画を倉庫に預けようと考えたこともあったが、結局母に頼み、実家に置かせてもらっている。実家は今住んでいる家から近いので、あのCDが聴きたくなった、あの漫画を読みたくなったと、ちょくちょく取りにいく。新しく買ったCD、本&漫画も順調に増えている。当然、わずか数年で我が家には棚に入りきらず、モノの山が出来始めた。ちなみにこれまで当ブログではツッコミ役として登場してきた妻だが、実はかなり重度の本好きで、本の山をもっぱら築いているのは彼女である。

何とかせねばと考えていた折に、スチャダラパーBOSEの『明日に向かって捨てろ‼』を見つけ、買って読んだのだが、これが捨てるという点ではまったく参考にならなかった。いや、面白すぎてまた本が一冊増えただけと言った方がいいだろう。捨てるべきか捨てないべきかと悩むモノが、コンプリートしてないガチャガチャのフィギュア、録画とソフトのダブりビデオテープ、家電品のトリセツ、必要な度に買い増えた工具、CDのオマケやフライヤーがわりにもらうステッカー、果ては出前チラシなど、そんなモノ捨てろよ!とツッコミたくなるモノばかりを取り上げ、笑い話にする。つまり、なかなか捨てられないよねと愚痴るのではなく、解決不能問題を遊ぼうという開き直りの本なのだ。

あらゆるモノのデータ化が進み、“所有”から“アクセス”へと変化しつつあるが、モノにはそれにまつわる記憶があり、その所有者を表す役割もある。仮にあらゆるモノをデータ化し、さらにわずかに残したモノまで冒頭の倉庫サービスに預け、服もレンタル・サービスを利用している人の家に訪れたとする。不動産屋のカタログに掲載されているようなオシャレなきれいな部屋かもしれない。しかし、そこに住む人がどんな生活をし、日々何を考えているのかは伝わってこないのではないか。もし、この本の主人公であるBOSEの部屋がそうだったら、それはないだろと思うだろう(そもそも本の企画が成り立たない)。中途半端なフィギュアやビデオテープ、レコード、本などに囲まれ生活しているからこそ、スチャダラパーのあのオモロHip-hopが生まれるのだと思う。

と、いい結論でまとめた気になっているが、最近テレビに出てくるようなゴミ屋敷にはならないよう気をつけたいとは思いつつ、妻の本の山に躓き、足の小指の痛みを紛らわせようと、この記事を書いているのだった。妻よ、特にファッション雑誌は凶器になるから片付けてくれ…。

明日に向かって捨てろ!!

明日に向かって捨てろ!!