僕の心を深く静める、繊細で穏やかな音楽

 


Milton Nascimento - Clube da Esquina nº 2 - YouTube

 

「心を深く静める、繊細で穏やかな音楽」をテーマにしたコンピレーショCD「クワイエット・コーナー」の第二弾がリリースされたが、今回も素晴らしい。

 

ジャズ、ソフトロック、ブラジル、室内楽、シンガー・ソング・ライターなど、ジャンルを超えて選曲されたコンピCDはサバービア以降、よく見られるようになったが、ここまで「Quiet」にこだわり、なおかつ聴かせるものはなかなかない。選曲担当の山本勇樹氏の「情報にスピードを求める時代だからこそ、一時歩みをゆるめ、穏やかな音楽に耳を傾けたい」という姿勢に共感を覚える。

 

というわけでのっかるようだが、僕の「心を深く静める」アルバムを10枚あげてみた。

 

 

Caetano Velozo/Caetano Velozo

ブラジルの音楽家、カエターノ・ヴェローゾによるギター弾き語り集。カエターノ・ヴェローゾはボサノバの神様といわれるジョアン・ジルベルトの「ジョアン 声とギター」をプロデュースした際、「これより静かなものを求めるなら、ただ沈黙するしかない」と言ったようなことをコメントしているが、このアルバムも負けてない静謐な一枚。マイケル・ジャクソンの「Billie Jean」~ビートルズの「Eleanor Rigb」のカバーがお気に入り。

 

Cathy Mccord/Cathy Mccord(※廃盤)

1969年にジャズの名門レーベルCTIから発表されたキャシー・マッコード唯一のアルバム。キャシー・マッコードの横顔美人のジャケットが素敵で手に入れてからしばらく飾っていた。男のもとを去りゆく女性のことを歌った歌詞にふさわしく目覚まし時計の音で始まるビートルズの「I’m Leaving Home」のカバーが物悲しい。

 

Jon Lucien/Rashida

ジョン・ルシアンはカリブ海出身の音楽家で、このアルバム収録曲の「Would You Believe In Me」がフリーソウルで人気となり、僕もDJでよくかけたが、アコースティック・ギタースキャットのみのスローな曲「Esperanza」が今の気分。

 

Kenny Rankin/Silver Morning

シンガー・ソング・ライター、ケニー・ランキンの名盤。サバービアの定番曲「Haven’t We Met」が人気だが、ここではビートルズのカバー「Black Bird」を推したい。

 

King Of Convenience/Quiet Is The New Loud

ノルウェー出身のアコースティック・ポップ・ディオ、キングス・オブ・コンヴィニエンスのデビューアルバム。21世紀のサイモン&ガーファンクルとでも言いたくなる美しいコーラス。「静けさは新しい騒がしさ」というタイトルがユニーク。

 

Mathilda Santing/Breast And Blow(※廃盤)

マチルダ・サンティンはオランダの女性シンガー。このアルバムは1989年発表で当時バイトしていたレンタル・レコード屋で偶然聴いたのだが、以後いろいろ音楽趣味が変わっても聴き続けている一枚。トッド・ラングレンの「It Wouldn’t Have Made Any Difference」のカバーが秀逸。

 

Milton Nascimento/Clube Da Esquina

ブラジルの音楽家のなかで、僕が一番好きなミルトン・ナシメントボサノヴァでもサンバでもない、讃美歌のような美しい音楽、そして何より彼の声はブラジルの至宝。オーケストラをバックに彼のスキャットがのる「Clube Da Esquina No2」は映画のエンドロールに使われそうな感動的な曲で、友人に贈った選曲テープの最後に必ず入れていた。自分の葬式にかけてほしい曲。

 

Ray Peralta/Peralta(※中古レコード盤のみ)

ハワイのマイナーなギターリストが小さなレーベルで発表したアルバム。発表年が記載されていないが、ハワイ特有のギター奏法スラッキーギター(通常のチューニングではなく、何も押さえてない開放弦で引いたときに特定のコードになるもので、波のような、風のような心地よい音になる)が用いられているので、多分1970年代中盤から後半だと思う。バッハの「主よ、人の望みよ喜びよ」のカバーが好き。

 

英珠/Cinema

英珠は台湾の血をひく日本人女性ジャズ・シンガーで、海外のポップスをジャズ・アレンジでカバーし、3枚のアルバムを発表したが、残念ながら心不全で亡くなった。このアルバムはタイトル通り、映画の主題歌をカバーしたもので、「虹の彼方に」「エーデルワイス」といったスタンダードからプリンスの「パープル・レイン」まであり、捨て曲なし。

 

村上ゆき/夢で逢いましょう

日本語の歌も選びたかったので、女性シンガー・ソング・ライター、村上ゆきのピアノ弾き語り集を。フォーク・クルセイダーズの「悲しくてやりきれない」、矢野顕子の「自転車でおいでよ」(原曲は佐野元春とのデュエット)がいい。

 

 

以上、機会があればご一聴を。

 

 

クワイエット・コーナー

クワイエット・コーナー