vibechant ーメロウな魂(ソウル)を抱いてくれー

6月28日@Bar DoctorHeadでvibe chantの2回目を開催しました。実は開催二週間前に遂にコロナに感染してしまったのでしたが無事開催することができました。当日はあいにくの梅雨の激しい雨でしたが、大学時代の友人たち、初めての方、久しぶりの方もいらっしゃってくださり感謝しかないです。
今回のテーマは「メロウな魂(ソウル)を抱いてくれ」で私が90年代のフリーソウルをきっかけに好きになったジャンルであるソウルをテーマにしました。タイトルの元ネタは氷室京介の「魂を抱いてくれ」を文字りましたがかけたジャンルとは全く関係ないのは前回通りです(前回はメロウなチルにしてくれ=スローなブギにしてくれ/南佳孝)。
ゲストはSwinging Popsicle/Grenfelleのヴォーカルの美音子ちゃんにお願いしました。ちゃん呼びは馴れ馴れしいですが彼女とは私が大学時代に在籍していた音楽サークルの先輩後輩の仲。最近DJもやっていてやはりSwinging Popsicleのヴォーカルとして知られているのでインディーポップ関連のイベントで回すことが多いのですが、私はどちらかいうとGrenfelleに影響を与えたネオソウルを回す彼女の選曲の方が好きなので今回依頼しました。ちなみにGrenfelleの7inchのライナーはサバービアの橋本徹さんが寄稿しています。
https://www.popsicleclip.com/miobell-records/artists/grenfelle/

https://music.apple.com/jp/album/keep-it-goin-single/1728637734
当日の美音子ちゃんの選曲ですがMoonchildに始まり、Arlo Parks、Tom Misch、J La Motta Suzumeなどの現行のネオソウルをレコードで回すのは正直驚きました(新譜レコード高い!)。事前にリクエストしていた懐かしのMisty OldlandのGot Me A Feelingもかけてくれ美音子ちゃんにDJをお願いして本当に良かったと思える選曲で私としては大満足でした。もちろん最後はGrenfelleで締めてくれました。



一方、私はフリーソウル・クラシックから現行のネオソウル、ソウル・フィーリングある洋楽・邦楽をごちゃ混ぜにした感じになりました。新譜はCDを使いましたが取り寄せに1ヶ月近くかかったものもあり需要がないせいかレコードより安いけどCDの方が入手するのはレアだと実感しました。

(フリーソウルキャップ&Tシャツの正装の私)
Like A Seed/Morgana king
罌粟/畠山美由紀
Sketch For Spring/Cornelius
1つの魔法/小沢健二
Saudade/Antonio Loureiro
Dancing Circles/Sampha
Strawberry Letter 23/Shuggie Otis
High Tide/Batteaux
Te Amar Etero/Bruno Berle
I Love You/Dee C. Lee
I Love You/イハラカンタロウ
Keep It Goin'/Grenfelle
Chelish Our Love/Love Tambourines
Un Soir Un Chien/Les Rita Mitsuko
Beauty/吉田美奈子
Prince Of Peace/Galliano
https://open.spotify.com/playlist/6uebiXvAxStS27QBt2wSXG?si=kp0x5-SESqaSrdaJP-s7eQ&pi=Zf_gSHzCQKCwU
最後のB2Bは少しアゲめで小西康陽 作詞作曲の和田アキ子、最後は90年代のフリーソウル華やかし頃にかかればフロアが爆盛り上がりした曲を久しぶりに回しました。

イベントの締めはまだ世界中で続く哀しい紛争が早く終わることを願ってKelly Pattersonが愛は地球を救うの想いを込めた名曲“Magic Wands Of Love”で締めました。90年代に主催していた頃のvibe chantではオープニングかエンディングに必ず回しDJメンバーもお客さんも愛した思い出の曲でした。

https://open.spotify.com/track/6JCWI3IHIb2JD1XOGjVeop?si=Bbeuco-1R36oBQZ6xt0z3w
DJを快諾頂いた美音子ちゃん、悪天候にも拘わらず来場頂いたお客様の皆さん、毎回私のわがままなイベントを引き受けてくださるBar DoctorHeadのやなぎはらさん、今回もフライヤー作ってくれた私の妻、ありがとうございました。また「vibechant」でお逢いしましょう。
vibe chant ーメロウなチルにしてくれー

昨年9月にBar DoctorHeadでのあーるさんのラウンジDJにお邪魔して以来、ほぼ月に一回Bar DoctorHeadで回す機会を頂くようになりましたが、久しぶりにやってみるとやはり自分でもイベントを企画したいという欲が出るのがDJの性(さが)でしょうか。
私が90ー00年代に主催していたイベント「vibe chant」ではレギュラーDJ3人+ゲストDJ1人の4人で22時~5時まで回していました(ゲストは1時間でレギュラーDJは一人1時間を2セット)。ちなみにレギュラーDJの一人がかなりの飲んべえで酔いつぶれ、私が代わりに2時間回す羽目になることもありました。それでもどうにかなったのはこの頃はソウル、ジャズ、ブラジルなどのレアグルーヴを回していて長尺で楽曲の構成に起伏があり、切りどころが難しかったため、フルでかけることも結構あったからです。「vibe chant」のアンセムだったマリーナ・ショーの「Woman Of The Ghetto」は9分58秒でした(タイトル通りゲットーで厳しい暮らしを生きる女性の切実な思いが込められた曲なのですが英語の歌詞を理解しない私たちDJとお客さんは明け方の5時にこの曲で踊り狂っていたアホでした)。
一方、今のイベントのスタイルの持ち時間20~30分で盛り上げるためにアゲめの選曲にするとどうしても一本調子のBPMになりがちで、私が好きな「序破急」の選曲の流れが作り難いという悩みも正直ありました。
言い訳がましくだらだら書きましたが、要するに自分のわがままがを通したいのなら自分で企画すべきだ、それならイベント名は「vibe chant」に決まってると思い立ったわけです。とはいえ、かつて一緒に回していたメンバーはもうDJをやっていないしなぁとは思っていたところ、私がTwitter(現X)でフォローしている音楽家のsuppa micro panchopさんが「今月DJの予定が無い」と投稿しているのを見かけ、ひょっとしたら…とお願いしたところ快諾頂き、急遽イベント開催ニ週間前の4/8にBar DoctorHeadを予約しました。
実はスッパさんのDJは実際には一度しか聴いたことがなかったのですが、CDJを駆使したトリッキーなプレイスタイルに一聴惚れしました。それにスッパさんは私が大好きな音楽家・竹村延和のレーベルchildiscからデビューアルバムをリリースしています。スッパさんに「竹村延和の1stみたいなメロウで少し踊れるぐらいのチルな曲をかけたい」とメッセージを送ったところ、「来てくれるお客さんがイメージできるよう明確なテーマがあった方がいい」とアドバイスをもらい、某曲をもじった「メロウなチルにしてくれ」を思いつきました。
その結果、持ち時間一時間で私の選曲はこうなりました(曲順はうろ覚え)。
Tude O Que voce Podia Sel / Milton Nascimento
For Tomorrow / 竹村延和
Bebe / Hermeto Pascoal
Too Pure / Cornelius
Magic Journeys / Disney Studio Chorus
Prema Redentor / The Underwolves
Love is... / Calm
War & Peace / 坂本龍一
Love Is Everywhere / Pharaoh Sanders
Free as the Morning Sun / Mr. Hermano
Spritual State / Nujabes fea. Uyama Hiroto
https://open.spotify.com/playlist/4qIyOHg9hqQhmuAC1HCmBD?si=n_Qr3l0nRwSdF4t5ZWPPBA&pi=a-nyJMTsEpTCeB


Bar DoctorHeadでのイベントなのでCorneliusと小沢健二は選曲しましたが、両曲ともこれまでのDoctorHeadではかかったことがない、今回の「メロウなチル」に合った曲を選びました。特に小沢健二の「毎日の環境学」はクラブでかかるどころか小沢健二ファンの間でもあまり話題にならない曲だと思います。何しろヴォーカル無しのインストですから。他の曲も90年代に起きたジャズで踊るブームがラテンやブラジルなどの民族音楽を取り入れ、さらには同時代のドラムンベース、ヒップホップ、アンビエントなどの音楽と融合していった流れを汲む曲を中心に「メロウなチル」という解釈のもとにセットリストを組み立てました。
自分のDJを終え、スッパさんにバトンタッチしましたが、私が回していた時との音の鳴りの違いに正直驚きました。ミキサーの高音・中音・低温のイコライザーを曲ごとに小刻みにいじり、曲の音の最適のバランスを瞬時に調整するのはさすがで、自分で音楽を作る人は違うと唸らせるプレイでした。


(スッパさんのspotifyにある曲のプレイリスト)
https://open.spotify.com/playlist/7G71xfUT99stLTbdLWKr9z?si=mpD2MW_DSBatL_fTXBtDRw&pi=a-q7nan1djSOiL
最後はスッパさんと私で30分ほどB2Bをやったのですが、これがめちゃめちゃスリリングで楽しかった! 特に私のクレモンティーヌの「Pillow Talk」にスッパさんがまさかのTLCの「Waterfall」でつなぎ、Nujabesの「Luv(Sic pt3)」でつなぎ返したら今度はキセルの「夏が来る」という予想外の流れは、私がB2Bを経験したなかで一番燃焼したと言っていいほどのもので、いい勝負の試合をやり終え互いに称え合うスポーツマンみたいな気持ちになりました。


最後はコーネリアスのあなたがいるならで締めました。

結果としてBar DoctorHeadで開催されるイベントとしてはかなり異色なものになり、ちょっとわがままにもほどがあったかと心配になったのですが、DoctorHeadのやなぎはらさんに「良いイベントでした」と言って頂き安心しました。

DJを快諾頂いたスッパさん、平日の月曜にも拘わらず来場頂いたお客様の皆さん、急な開催を引き受けてくれたBar DoctorHeadのやなぎはらさん、当時のフライヤーの「vibe chant」の文字を再現し新たにフライヤー作ってくれた私の妻、ありがとうございました。また「vibe chant」でお逢いしましょう。

ラジオ風スナックみっこだヨ!全員集合

4月12日(金)、みっこさん主催の「go! go! スナック風みっこだヨ!全員集合」にお誘い頂き、Bar DOCTOR HEADでDJしてきました。
みっこさんは、私が3年前に作ったファンジン『FOREVER DOCTOR'S HEAD WORLD TOWER』の「Doctor Head Tour回想座談会」に参加してもらい、今回のイベントはその縁もあってお誘い頂いたのですが、選曲テーマが「無人島に持っていく曲」で、しかもその理由についてイベントMCのみっこさんにインタビューされるという面白い趣向の企画でした。

「無人島レコード」をテーマにした本があるぐらいですから音楽好きなら一度は考えたことがあるでしょう。単純に大好きで何度も聴いたレコードか、青春時代の思い出のレコードか、思い入れのある超レアなレコードか、はたまたインタビューされるのだから自分はこういうレコードを選ぶ人間だと思われたいという自己演出なのか…。
そもそもなぜ無人島に行くことになったのかです。遭難して無人島に漂着したり、世を儚んで無人島に行くのなら音楽を聴こうなんて気持ちも起きないだろうし…いろいろ考えあぐねた結果、「某かの調査を命じられ無人島に行くことになったが成果があるまでは帰れないので、一人寂しく調査をしながら鼻歌で歌う曲ー鼻歌で歌えるぐらい何度も聴き友人や家族との思い出に浸れ一人であることを忘れられる曲」ということにしました。
●Like A Seed / Kenny Rankin
アメリカのシンガーソングライターの3rdアルバムのタイトル曲。イントロのアコギの爪弾きと子供のコーラスが印象的で、フリーソウル華やかし90年代に私が主催していたイベント「vibe chant」のオープニングで必ずかけていた曲でした。一緒に回していたDJのメンバーもフロアーのお客さんも大好きだった思い出の曲です。
●Samba Saravah / Pierre Barouh
映画「男と女」のサントラから。「男と女」というとダバダバコーラスの主題歌が有名ですが、映画の劇中でピエール・バルーが歌うサンバを選びました。「男と女」はたいして映画を見ない私の父が、当時ヌーヴェルヴァーグ好きだった母をデートに誘う口実に選んだ映画でした。父は私が生まれた翌年に他界し母もあまり父のことは語りたがらなかったのですが、私がまだ実家にいた頃に部屋でこのレコードをかけていたら母が「懐かしい」と父との映画デートの思い出を教えてくれました。時を経て私が妻と結婚し2016年に「男と女」が再上映され、今度は私が妻を誘いました。なので私が知っている数少ない父の思い出の曲であり、妻とのデートの思い出の曲でもあります。残念ながら妻は主演のアヌーク・エーメが着ていたたコートとジャン=ルイ・トランティニャンがガソリンスタンドで煙草に火を付け怒られるシーンしか覚えてないらしいですが。
●陽の当たる大通り / 小西康陽
ピチカート・ファイヴの曲で小西康陽のセルフカヴァー。Bar DOCTOR HEADでDJをやる時は必ずかけるぐらい今いちばん好きなレコードで、小西康陽のライブ会場でしか販売されずピチカートマニアにとってちょっとレアなレコードです。何よりピチカートファイブの元曲は私の大切な友人の一人、大塚幸代ちゃんが大好きな曲した。ピチカートファイヴではなくフリッパーズギターの話になりますが、彼女は『ヘッド博士』が発売された頃にフリッパーズギターのファンジン『FAKE』を作り、私はヘッド博士の元ネタ原稿を書きました。ファンジン『FOREVER DOCTOR HEAD'S WORLD TOWER』はもちろん「ヘッド博士の世界塔」の発売30周年として作りましたが、個人的には友人の大塚幸代ちゃんの七回忌に捧げる気持ちもありました。しばらくDJをやめていた私が再びイベントに誘われ回すようになったのはファンジンのおかげであり、彼女への感謝の気持ちも込め選曲しました。
●Seperation / Nicaud
無人島にいると一人で寂しいし夜は悶々とするのでジャケットも大切かなと、最後はエロジャケから一曲選びました。白状すると私はまあまあのエロジャケコレクターで、結婚した時に処分したつもりでしたがこの一枚は残していました。エロジャケは大抵中身はどうということもないイージーリスニングであることが多いのですが、この曲が収録されている『EROTICO...NICAUD』はDJで使えるネタありまくりのフレンチレアグルーヴの名盤で、DJでもかなり多用した思い出の一枚という言い訳をしておきます。
職場が遠方のため、他の方のDJがあまり聴けなかったのが残念でしたが、Venus Peter/Penny Arcadeの石田真人さんにファンジンをお渡しすることができ、当時の思い出話をさせて頂くことができたのは貴重でした。DJも自分の意思とは関係なく無人島に流れ着いてしまったという設定で、まず娘さんに自宅のレコードから10枚自由に選らんでもらい、さらにフロアのお客さんに1~10の数字のトランプを引いてもらい番号の付せんを貼ったレコードをかけるという自分で選曲しないDJは、ヤン富田の「偶然の必然」という名言を思い出す斬新なDJスタイルで驚かされました。



mexicoさんがかけた一曲目がモーターヘッドだったのも無人島でも元気一杯!なキャラ通りの選曲で楽しかったです。


イベントの〆の曲がこれだったのもみっこさんらしいと思いました。

主催のみっこさん、DJの皆さん、来場頂いたお客様の皆さん、Bar DOCTOR HEADのやなぎはらさん、ありがとうございました。また、お逢いしましょう。
#休日飲酒クラブ EPIC SONY 楽曲を四谷で歌う

3月31日(日)、あーるさん主催の「休日飲酒クラブ EPIC SONY 楽曲を四谷で歌う」にお誘い頂き、Bar DOCTOR HEADで夫婦参加でDJしてきました。
これまであーるさんにお誘い頂いていたイベントのテーマは「渋谷系」だったのですが、あーるさん主催のイベント「Bar薫る」で岡村靖幸の「だいすき」がかかった時に夫婦で盛り上がっていたら「岡村ちゃん好きなんですか?!」と訊かれ、「好きも何もリアルタイム世代でめちゃめちゃ聴いたよ」と言ったのがきっかけで今回のイベントに夫婦で参加することになりました。ちなみに妻はTM Networkのファンクラブ「TIME MACHINE」に入会していたほどのガチ勢の「FANKS」でしたが、DJをやるのは大学時代の学祭以来の30年ぶりでした。

(休日飲酒クラブのイベントに相応しくEPICソニーのアーティスト名にちなんだオリジナル・カクテル!)
【選曲リスト】
Special Woman/The Street Sliders
時代を変える旅に出よう!/ボ・ガンボス
GO GO HEAVEN/大沢誉志幸
だいすき/岡村靖幸
ーB to Bー
瞳水晶/遊佐未森
EPICソニー楽曲のなかでもソウル/ファンクな横ノリで今聴いても普遍性があるものを選んだつもりでしたが、我ながらかなりベタな王道の選曲になりました。実はEPICソニーの楽曲を聴いていたのは高校時代だけで、あの頃はお小遣いで買えるシングルやアルバムに限りがあったのでレンタルに頼り、その代わりに貯めたお小遣いでライブに行くのが楽しみでした。

(高校生の当時観に行ったライブのチケット。チケット代がいちばん高かったTM Networkでも東京ドームで4500円、遊佐未森はパルコ劇場で3000円。昭和の時代のチケット代は高校生のお小遣いでも観に行ける値段でした)
また、私は大学生になった1989年にフリッパーズギターが「海に行くつもりじゃなかった」でデビューし、ストーンローゼズが「石と薔薇」をリリースしたのをきっかけに渋谷系とUKマンチェにはまり、一方、妻は1991年のプロディジーの1stでテクノにはまったため、EPICソニーのアーティストを聴かなくなり、後に深掘りすることもありませんでした。
そのため、今回のイベントで他のDJの皆さんの選曲を聴いてて妻と「いたよね、このアーティスト!」と懐かしくなったり、「これもEPICソニーだったんだ、知らなかった」と気付きがあったりで、楽しむことができました。特にnaoco.さんの「あぶない刑事」のサントラやxeviさんの土屋昌巳の「東京バレエ」などの選曲の幅広さには驚かされました。


とはいえ、女性のお客さん着ていたTシャツこそEPICソニーであり、DJよりもイベントの趣旨を理解していた方だなと嬉しくなったのも正直な気持ちです。


主催のあーるさん、DJの皆さん、来場頂いたお客様の皆さん、FOODのmanico maniaさん、Bar DOCTOR HEADのやなぎはらさん、ありがとうございました。また、お逢いしましょう。

Happy Like A Yesterday And Tomorrow 2/3 Bar DoctorHead

先週に続き、Bar DoctorHeadのイベント「2月、節分・バレンタインとドクターヘッド」でDJしてきました。実質的にはBar DoctorHeadの2周年をお祝いするイベントで主宰者のあーるさんからは「Happy!でHot!な曲を」というお題を頂いたので、いつもの五十路のヨコのりではなく、20代だった90年代の頃に戻った気持ちで老体にムチ打ち「渋谷系+ネオアコ+昭和歌謡ソフトロック」のアゲめの選曲にしました。
Yeah!/International Resque
It's A Beautiful Day/ピチカート・ファイヴ
Jumpin' Jack Jive/オリジナル・ラヴ
Sending To Your Heart/フリッパーズ・ギター
Town And Country Blues/Jim Jiminee
I Love You/Pico
ちなみに1曲目はロシュフォールの恋人たちの「双子の歌」にしようと思っていたんですが、他のDJの皆さんが最初から飛ばしていたので咄嗟に変更しました。International ResqueにしろJim Jimineeにしろ回したのは何十年ぶり?でしたが、イントロだけであの頃の気持ちに戻れるぐらいの名曲ですね。特にJim Jimineeは下北沢のベースメントでのイベント「From Across The Turntable」で音楽ライターの宮子和和真さんが必ずかけたアンセムなので思い出深かったです。
久しぶりのアゲめの選曲で本人的には結構テンパってたはずなんですが、主宰者のあーるさんにノリノリの姿を激写されていました…。お恥ずかしい。

【夫婦漫才B2B】
Groove Tube/フリッパーズ・ギター(妻)
Groove Tube/井の頭レンジャーズ(私)

B2Bは主宰のあーるさんから「奥さまもぜひ参加してください」と言われ、妻も何をかけようかとあれこれ考えていたのですが、イベント自体が終始アゲめのノリだったので調子に乗ってGroove Tubeメドレーをやりましたが、あーるさんから「2周年お祝いの曲を」と言われたのをすっかり忘れてしまいました。反省しています…(ビートルズのホワイトアルバムの「Birthday」をかける予定でした)。
他のDJの皆さんの選曲も本当に楽しかったですが、やはりDJガンダムさんが1曲目に「燃え上がれガンダム」をかけたのは個人的にはイベントのハイライトでした。あと、還暦を迎えられたTequila Kubotaさんのハジケぶりは見習いたいです。

2週続けてDJなんて本当に何年ぶりのことでしたが、とても楽しかったです。またお逢いしましょう。

冬来りなば春遠からじ 1/27 Bar DoctorHead

1月27日(土) 四ッ谷のBar DoctorHeadの人気イベント「Bar薫る」にまたお招き頂きDJしてきました。今回主催者あーるさんから頂いたお題は「冬にきく渋谷系とか」。冬というと普段はブルース・コバーンとか長谷川きよしとか音数の少ないフォークを好んで聴くのですが、DJで回す曲は正直考えたことはありませんでした。冬ソングとは?と部屋に散らばったレコード/CDをひっくり返した結果、安易ではありますが単純に歌詞に冬が出てくるものにしようと決めましたがそれだけではそれこそ寒い選曲になりかねないので、冬の寒さから春の暖かさへと季節の移ろいを感じられる「冬来りなば春遠からじ」をテーマにしました。
ちなみに「冬来りなば春遠からじ」という言葉は、「厳しい冬がやって来たならば、次には暖かな春がついそこまで来ている。どんなに現在が不遇であっても、その先には明るい希望の日々が待っているというたとえ。イギリスの叙情詩人シェリーの「西風に寄せる歌」の末節にある句」ですが、私が知ったのは松本大洋の漫画「花男」でした。私の脳はまあまあの漫画脳なのです。
相変わらず前置きが長くなりましたが、以下が選曲リストと駄文です(Spotifyには夏木マリの「かもめ」はなかったので代わりに港町つなぎで「港のマリー」を選曲しておきました)。
https://open.spotify.com/playlist/45MfcWv9QBhOkfaigCMEux?si=eZeeXyASTh6uKSe5l0qGLQ
●ひとりで眠ることを学ぶ。/ピチカート・ワン
1分もない短い打ち込みのインストですが、「冬にきく渋谷系とか」がテーマといわれ真っ先に思い出したのがこのジャケットでした。DJで使える曲はないですが冬の寒い日にひとりで聴くにはもってこいの私の冬アルバムです。先日収録曲の「イマジン」のカヴァーでヴォーカルを務めたマリーナ・ショウが亡くなり、彼女の追悼の意も込めました。
●メッセージ・ソング/ピチカート・ワン
ピチカート・ファイヴのオリジナル・ヴァージョンはゲストの花田裕之がギターを弾きまくるロック調ですが、今回はピチカート・ワンのジャズ調のライブ・ヴァージョンを選びました。初めて聴いた時は歌詞でなぜ「いつか大人になる日に君もたぶんどこかへ旅に出るはず」と出てくるのかわからず、後にインタビューで「離婚した娘へのメッセージ・ソング」だったと読んだのですが、この曲を「みんなのうた」に選んだNHKのプロデューサーさんは知っていたんでしょうか。
●かもめ/夏木マリ
小西康陽プロデュース夏木マリは本当に大好きで今回も選曲しました。原曲は浅川マキで歌詞は寺山修司です。歌詞に冬という言葉は出てきませんが、かもめは冬の鳥ですし港町の阿婆擦れ女に恋した男の身勝手な哀しい顛末を飄々と歌う夏木マリさんはまさに女優です。
●女港町/畠山美由紀
港町つなぎで畠山美由紀による八代亜紀のカヴァーです。八代亜紀の追悼の意もありましたが、畠山美由紀は渋谷系の文脈では語られないものの彼女のユニットPort of Notesは瀧見憲司のクルーエル・レコードからデビューしてますし、ソロになってからも堀込康行・ハナレグミとの「真冬物語」(作詞:松本隆)、Free TempoやSugiuramnのフィーチャーリング・ヴォーカルなど幅広く活動する実力者のわりにはクラブでかかることが少ないと感じたので選びました。
「冬にきく渋谷系とか」がテーマならやはり渋谷系の女王・野宮真貴は欠かせません。原曲は「Baby, It's Cold Outside」というクリスマスのスタンダード曲で、今回かけた日本語歌詞は田島貴男もリスペクトする日本のスウィング・ジャンプ・ブルースバンド吾妻光良&スウィンギン・バッパーズによるものです。寒い冬の夜のデートの後、帰ろうとする女性を男性が家に誘おうとするかけひきを歌ったコメディー・タッチの歌詞で毎年のようにビッグネームのアーティストによるデュエット・カヴァーがリリースされる人気曲でしたが、#MeTooムーブメントによって歌詞が不適切だとアメリカのとラジオ局に苦情が寄せられ放送禁止になるという騒動がありました。皆さんはこの曲を聴いてどう感じたでしょうか。
●指切り/矢舟テツロー
小西康陽、野宮真貴をかけたなら歌うジャズ・ピアニスト矢舟テツローもやはり欠かせません。大瀧詠一のファーストソロアルバム収録曲のカヴァーですがピチカート・ファイヴのセカンドアルバム「ベリッシマ」に収録される予定だったそうです(後にベストリミックスアルバム「月面軟着陸」に収録)。歌い出しが「きみはとても鋭い爪で蜜柑の皮をむいているけど」という歌詞のせいか、こたつで向き合う男女を歌った曲のような気がするのは大瀧詠一が東北の生まれだからでしょうか。
●冬へと走りだそう 再び/かせきさいだぁ
歌詞に冬が出てくる曲といえばこの曲があったと思い出し久しぶりに聴きたくなり選曲しました。歌詞に出てくる「セブンファイヴオーライダー」は漫画「750ライダー」が元ネタで、「委員長を乗せて」の「委員長」は漫画のヒロインのあだ名です。小学生の頃この漫画が大好きな同級生がいてバイクの免許をとって彼女と2ケツするのが夢でしたが、高校生になって免許取り立ての原チャリで事故りバイク嫌いになったこともついでに思い出しました。
そろそろ寒い冬から暖かい春をつげる曲をと選びました。主催者あーるさんから「小山田圭吾さんの誕生日なので関連曲を」というリクエストもありましたし、小山田圭吾が作曲したカヒミ・カリィではこの曲がいちばん好きです。
●Camera Full of Kisses 全ての言葉はさよなら/フリッパーズ・ギター
「雪が溶けて僕たちは春を知る」「思いっきり僕たちはキスを投げてさよならする さよならする さよならをする!」ということで。
●B2B
Raise Your Hand Together(320 light years mix)/Cornelius
小山田圭吾お誕生日おめでとうということで。
今回のBar薫るはSwinging Popsicle/Grenfelleの藤島美音子ちゃんがDJ、Swinging PopsicleのギターリストのしまっちさんがThe Carawayでソロライブ、というなかなかレアな組み合わせもあっていつも以上に盛り上がり楽しかったです。ただフロアの後ろでとはいえ無造作に着替えをするDJガンダムさんを目撃し、ヒーローショーの後に見てはいけないものを見てしまった子どものような気分になりました。
主催者のあーるさん、Bar Doctor Headのやなぎはらさん、DJの皆さん、The Carawayのしまっちさん、足を運んでくれたお客様の皆さん、私のDJが終わった後に駆け付けてくれた妻、ありがとうございました。またどこかでお逢いしましょう。

2023年の個人的な記憶の記録
2023年が終わる。今年はアイズレー・ブラザースの「Harvest FOR The World」を繰り返し聴かざるを得ないほど、やるせない出来事が多すぎる一年であった。
赤ん坊はみんな一緒さ 誰もが一つの種なんだ
半分の人間が満たされ 半分は飢えている
愛は僕たちの中にたっぷりあるのに
強欲さに汚されている
いつになったら世界に収穫の時が来るのだろう
国家が植え育てるのは利得につながるものばかり
季節が巡るとともに痛みは大きくなってゆく
緊張することがあまりに多すぎる
いつになったら世界に収穫の時が来るのだろう
集まれ男たちよ 集まれ女たちよ
自らの命を祝い 子供たちに感謝を
集まれみんな あつまれみんな揃って
誰のことも見下ろさず
この世界のために生活が
より良くなるよう願うんだ
僕は武装させられるんだ
ほしいのは平和だけなのに
代償を払うものは 全て失ったまま家に帰る
国民は次から次へと野獣に変わる
いつになったら世界に収穫の時が来るのだろう
多くのミュージシャン達が天に召されてしまった年でもあった。特に私が初めて買ったレコード・初めて観に行ったライブであったYMOのメンバー、高橋幸宏と坂本龍一が亡くなった喪失感は大きく、デヴィッド・ボウイ、プリンス、ジョージ・マイケルなど洋楽に夢中になり始めた頃のスターたちが相次いで亡くなった2016年を思い出さざろう得ず、自分の記憶の中でキラキラしていた80年代の音楽の思い出が急に霞んでしまうようで感傷的な気持ちになる年でもあった。
その一方で、個人的には90~00年代のDJ時代が再来したかのように久しぶりにイベントで回す機会に恵まれた。ソフトロックイベントMagic Garden出張ver.に参加し憧れのDJでもあったコモエスタ八重樫さんにお会いできReadymadeのロングTシャツのデッドストックを買い、一緒に写真まで撮って頂けたのは嬉しかった。主催者の小方俊也さんとは後述のあーるさんのイベントでまたご一緒する機会があり、素晴らしいソフトロックDJを堪能することができた。

また、四ッ谷のBarDoctorHeadなどで定期的にイベントを開催されているあーるさんがラウンジDJで回す日にお邪魔し、「トオルa.k.a.スケル 小西康陽を回す」と題し小西康陽作品だけを回すDJを披露したところ彼女に気に入って頂き、彼女の主催イベント「Bar薫る」に2度お招き頂き回す機会を得た。あーるさんとは昨年開催したファンジン『FOREVER DOCTOR HEAD'S WORLD TOWER』の発行記念トイベント『一日ヘッド博士三昧』でDJとして参加して頂いたのがきっかけだが、彼女のような年下の世代が自分が90~00年代に夢中になった音楽で楽しそうに踊るのをDJブースから見て、月並みだが音楽は時代を越えると改めて感じた。



さらに勢いづき自主開催イベントとしては15年ぶりにクリスマスソングだけを回す「クリスマスソングの夕べ」まで開催するに至った。15年前のイベントもカヴァーソングしか回さない企画で、その時もクリスマスソングのカヴァーを回したので、我ながら進歩がないが結果的には平日の割には盛り上がりとても楽しかった。いつも私のわがままな選曲を受け入れて頂くBarDoctorHeadのやなぎはらさんには本当に感謝しかない。


もちろん我が家のアニヴァーサリーマンスである9月には互いの誕生日と結婚記念日をいつものお店で祝った。



年齢的には還暦まであと7年となった。人生100年時代などといわれる時代だが、歳をとって少しは賢くなったと思っても毎年予想もつかなかったことが起きる。結局のところいつものようにプリファブ・スプラウトのパディ・マクアルーンの言葉を思い出すのであった。
「まだこれから最良のものがやってくることを願う者にとって、ノスタルジーに浸ることは困難だ。先のことは誰にもわからない。人生は驚きの連続だ」