2023年の個人的な記憶の記録


2023年が終わる。今年はアイズレー・ブラザースの「Harvest FOR The World」を繰り返し聴かざるを得ないほど、やるせない出来事が多すぎる一年であった。

 

赤ん坊はみんな一緒さ 誰もが一つの種なんだ

半分の人間が満たされ 半分は飢えている

愛は僕たちの中にたっぷりあるのに

強欲さに汚されている

いつになったら世界に収穫の時が来るのだろう

国家が植え育てるのは利得につながるものばかり

季節が巡るとともに痛みは大きくなってゆく

緊張することがあまりに多すぎる

いつになったら世界に収穫の時が来るのだろう

集まれ男たちよ 集まれ女たちよ


自らの命を祝い 子供たちに感謝を

集まれみんな あつまれみんな揃って

誰のことも見下ろさず 

この世界のために生活が

より良くなるよう願うんだ

僕は武装させられるんだ

ほしいのは平和だけなのに

代償を払うものは 全て失ったまま家に帰る

国民は次から次へと野獣に変わる

いつになったら世界に収穫の時が来るのだろう

 

多くのミュージシャン達が天に召されてしまった年でもあった。特に私が初めて買ったレコード・初めて観に行ったライブであったYMOのメンバー、高橋幸宏坂本龍一が亡くなった喪失感は大きく、デヴィッド・ボウイ、プリンス、ジョージ・マイケルなど洋楽に夢中になり始めた頃のスターたちが相次いで亡くなった2016年を思い出さざろう得ず、自分の記憶の中でキラキラしていた80年代の音楽の思い出が急に霞んでしまうようで感傷的な気持ちになる年でもあった。

 

その一方で、個人的には90~00年代のDJ時代が再来したかのように久しぶりにイベントで回す機会に恵まれた。ソフトロックイベントMagic Garden出張ver.に参加し憧れのDJでもあったコモエスタ八重樫さんにお会いできReadymadeのロングTシャツのデッドストックを買い、一緒に写真まで撮って頂けたのは嬉しかった。主催者の小方俊也さんとは後述のあーるさんのイベントでまたご一緒する機会があり、素晴らしいソフトロックDJを堪能することができた。


f:id:vibechant:20231228121301j:image

また、四ッ谷のBarDoctorHeadなどで定期的にイベントを開催されているあーるさんがラウンジDJで回す日にお邪魔し、「トオルa.k.a.スケル 小西康陽を回す」と題し小西康陽作品だけを回すDJを披露したところ彼女に気に入って頂き、彼女の主催イベント「Bar薫る」に2度お招き頂き回す機会を得た。あーるさんとは昨年開催したファンジン『FOREVER DOCTOR HEAD'S WORLD TOWER』の発行記念トイベント『一日ヘッド博士三昧』でDJとして参加して頂いたのがきっかけだが、彼女のような年下の世代が自分が90~00年代に夢中になった音楽で楽しそうに踊るのをDJブースから見て、月並みだが音楽は時代を越えると改めて感じた。


f:id:vibechant:20231228124102j:image


f:id:vibechant:20231228124208j:image


f:id:vibechant:20231228124255j:image

さらに勢いづき自主開催イベントとしては15年ぶりにクリスマスソングだけを回す「クリスマスソングの夕べ」まで開催するに至った。15年前のイベントもカヴァーソングしか回さない企画で、その時もクリスマスソングのカヴァーを回したので、我ながら進歩がないが結果的には平日の割には盛り上がりとても楽しかった。いつも私のわがままな選曲を受け入れて頂くBarDoctorHeadのやなぎはらさんには本当に感謝しかない。


f:id:vibechant:20231228125159j:image


f:id:vibechant:20231228125215j:image

もちろん我が家のアニヴァーサリーマンスである9月には互いの誕生日と結婚記念日をいつものお店で祝った。

f:id:vibechant:20231228125530j:image


f:id:vibechant:20231228125641j:image


f:id:vibechant:20231228125756j:image

年齢的には還暦まであと7年となった。人生100年時代などといわれる時代だが、歳をとって少しは賢くなったと思っても毎年予想もつかなかったことが起きる。結局のところいつものようにプリファブ・スプラウトのパディ・マクアルーンの言葉を思い出すのであった。

 

「まだこれから最良のものがやってくることを願う者にとって、ノスタルジーに浸ることは困難だ。先のことは誰にもわからない。人生は驚きの連続だ」