トオルa.k.a.スケル 渋谷系とそのルーツを回す

11月23日(木) 四ッ谷のBar DoctorHeadの人気イベント「Bar薫る」にまたお招き頂きDJしてきました。今回主催者あーるさんから頂いたお題は「自由度」でいわゆる渋谷系と呼ばれるアーティストの楽曲だけでなく参加DJそれぞれが解釈を広げてほしいとのことだったので、23日は勤労解釈の日なので90年代に渋谷の中古盤で買い漁ったソフトロック、フレンチポップ、ラテン、昭和歌謡を久しぶりに回すことにしました。題して「渋谷系とそのルーツでレッツ・ラブまたは勤労はレコード代のためにあると思っていたあの頃」。


f:id:vibechant:20231124111324j:image

【1回目】

●私の好きなもの/佐良直美

1曲目としてはクラブ映えはしない佐良直美昭和歌謡ボサですが、次にかけた夏木マリの呼び水のようなもので歌詞でつなぐのもおもしろいと思い選びました。作詞は永六輔で自分が好きなものをつらつらと並べつつ「あなたがいちばん好き」と歌うベタベタのラブソングですが、好きなものに「三味線のつまびき」が出てくるのが昭和で笑えます。

https://youtu.be/rbMIiLhhMBg?si=kBkHxboFgE57QtHu


●いちばん好きなもの/夏木マリ

小西康陽プロデュースの夏木マリはどの曲も好きなんですが、今回は歌詞つなぎでこの曲を選びました。これもクラブ映えのつなぎを狙うなら最初の語りはカットすべきですが、夏木マリさんは女優ですから最初からかけました(単にCDJに慣れてないのもあります)。

https://youtu.be/tMQSLFFF0So?si=qSkINXrxO8BbcOde


●大人になれば/小沢健二

主催者のあーるさんが小沢健二好きですし、夏木マリの大人の哀しい恋愛ソングにつなぐのも歌詞的におもしろいかもと思い選びました。ちなみに私の数少ないカラオケのレパートリーでもあり、スキャットの部分も再現します。

https://youtu.be/kA1RsZBENd0?si=vU7QbTj781fRuRad

 

●A Smile And A Ribbon/Prudence

子どもモノの音楽は大好物で中でもPatience And Prudenceはいちばん好きな子どもモノですが、妹のPrudenceのソロ曲を選びました。トイピアノのイントロが小沢健二の「大人になれば」のピアノと合うかもと思ったのもありますが、22年ぶりにリバイバル上映が決まった私が大好きな映画「ゴーストワールド」でこの曲が使われいて動画ではストーリーの前後がわからないとは思いますが、「笑顔と髪にリボンをつけるから注目されるのよ」という歌詞があまりにも皮肉で見るたびに涙腺が崩壊します。

https://youtu.be/_ZGfdFL0aiE?si=2VuEa0IF9gMYcA79


●So Einen Jungen Mann/France Gall

フレンチポップといえばフランスギャルでジャケットも魅力的ですが、個人的にはいちばんかわいいジャケットだと思うこの曲を選びました。タイトルも歌詞もフランス語ですが、原曲はボサノヴァのスタンダードの「サマーサンバ」です。

https://youtu.be/nj6Wx-Msy04?si=RRNuavI1eA7fLC8E


●走れニコ/鹿島とも子

若い世代には鹿島とも子と言われてもピンとこないと思いますが、私たちの世代にとってはオウム真理教での広告担当としての活動と長女拉致事件が有名で忌まわしい記憶の方が強いでしょう。そんな彼女ですが、日劇ダンシングチーム所属時代に残した「走れニコ」は日本語の歌詞の歌い出しが二番からはフランス語に変わるなんともお洒落な昭和歌謡ソフトロックなのでした。

https://nico.ms/nm13416304?ref=other_cap_off

 

【2回目】
●Tour Of Jamaica/Mighty Sparrow

1回目がちょっとウェットな選曲だったので2回目は陽気に行こうと景気づけに1曲目はMighty Sparrowのこの曲を選びました。ヤン富田プロデュースのいとうせいこう日本語ラップ名盤「MESS/AGE」でもサンプリングされたカリプソでDJクボタタケシもよく回していました。

https://youtu.be/1yofEo3KGI8?si=WE8R1qZxxUzKfQoI


●Le Petit Quica/Marpesa Dawn

映画「黒いオルフェ」の主演女優だったMarpesa Dawnが残した数少ないシングル曲で、私が世界一キュートなサンバだと思う曲です。かつて外苑前にMin Franceと言うフレンチポップ専門店があり、店長Yさんの「これウチで買ったの小西康陽くんと須永辰緒くんだけ」という誘惑文句に負け、高額を叩いた思い出の一枚でもあります。

https://youtu.be/JOt3-sU9zug?si=1AlOIGQBfZXke4Z7


●ストリート・サンバ/泉田エミイ

サンバつながりでこの曲を。泉田エミイは渡辺貞夫が見いだしたブラジル二世でこの曲も日本語の歌い出しから二番がポルトガル語になるのがお洒落な昭和歌謡ボサです。

https://youtu.be/9fVwzQq0p5g?si=MTq9-QJWcbLYEhw-

 

●Summer Beauty1990/野宮真貴カジヒデキ

選曲テーマはこの曲の日本語タイトルから文字りました。7inchで回したかったので野宮真貴カジヒデキのカヴァーver.を選びました。

https://youtu.be/f2sXihgLXXY?si=wQ33rhNDiSARB6-M


●Can't Take My Eyes Off You/Zard

小西康陽プロデュースの珍盤です。もともとはZardのアルバム「永遠」の初回特典の8cmCDだったものを12インチレコード化したもので私が唯一持っているZardの一枚ですが、坂井泉水はガチでボーイズタウンギャングの「君の瞳に恋してる」が大好きだったらしくカヴァーをやるならこの曲と自ら選んだそうです。子どものコーラスが可愛らしくてカヴァー曲専門DJをやっていた頃は必殺の一枚でした。

https://youtu.be/qAscGakJbcY?si=DIGioYEN4jFs5LNg


●陽の当たる大通り/小西康陽

小西康陽つながりでやはりこの曲は欠かせませんでした。今のところライブ会場限定販売の7inchのためネットには音源がありませんが、「小西康陽 小西康陽を歌う」のアルバムのリリースを切に願います。

 

B2B

●It's You/Sunaga t Experience

リリースの時期的にも渋谷系と言える曲ではありませんが、妻のリクエストでこの曲を選びました。主催者のあーるさんも好きな曲だったようなので結果オーライかなと思ってます。

https://youtu.be/dT4kEuEJy64?si=Hc5P50u6nvY8iOKt

 

今回は「自由度」がテーマだったので参加DJの選曲の個性がより出て楽しい一時でした。特にソフトロックイベント「magic garden」を主宰されている小方俊也さんの「小西(康陽)さんに教えてもらったレコード」をテーマにしたDJは素晴らしくソフトロックの真髄を堪能しました。そしてDJガンダムさんの早つなぎはやはり「連邦の化け物」級でした。ユーミンの「Sweet Dreams」から矢野顕子の「行け柳田」をつなぐなんて普通やらないでしょ!

 

主催者のあーるさん、Bar Doctor Headのやなぎはらさん、DJの皆さん、足を運んでくれたお客様の皆さん、テクノ好きで渋谷系はほとんど聴かないのに付き添ってくれた妻、ありがとうございました。またどこかでお逢いしましょう。


f:id:vibechant:20231124150252j:image
f:id:vibechant:20231124150259j:image
f:id:vibechant:20231124150304j:image
f:id:vibechant:20231124150309j:image

f:id:vibechant:20231124150328j:image