トオルa.k.a.スケル 小西康陽を回す



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昨年11月16日のまほろ座でのライブ「小西康陽 小西康陽を歌う」を見て以来、改めて小西さんの楽曲の素晴らしさに気づき、以来ライブがある度にセットリストをSpotifyのプレイリストにし長距離通勤の共に繰り返し聴いていました。ところが熱心な小西さんファンの方なら当然おわかりの通り、小西さんの楽曲は配信されていないものが多く、プレイリストとしてはどうしても不完全なものになってしまいます。そうした不満が積もるところに昨年私が主催したイベント「ヘッド博士一日三昧」でDJをしてくださったあーるさんがBar DOCTOR HEADでの飛び入りDJを募集しているのを見かけ、「自分の妄想プレイリストを現実にできるかも」とひらめきました。「イベントではなくラウンジDJになるがそれでもいいでしょうか」と念押しされましたが、こちらとしては最近の小西さんのライブの演奏スタイルからすればむしろ好都合と強引にアピールした結果、あーるさんのご厚意に甘え9月7日 Bar DOCTOR HEADに「トオルa.k.a.スケル 小西康陽を回す」をテーマに小西さん楽曲しばりのDJを実現することがが叶いました。

 

前置きが長くなりましたが以下がプレイリストになります。ふだんDJをする時はその場の雰囲気で選曲するのですが、今回は練りに練り曲調・BPMではなく歌詞で紡ぐことを心がけたつもりです。

 

東京は夜の七時(インストゥルメンタル)/小西康陽とプレイボーイズ

(アルバム「井上純のプレイボーイ講座12章」)

19時半スタートでしたが1曲目はやはりこの曲。カバーも含め複数ver.が存在するピチカート・ファイヴの代表曲ですが今の小西さんの演奏スタイルに近いこちらにしました。ライブでは♪東京は夜の七時~と歌ったところで演奏を終えてしまう意地悪な小西さんです。


サマータイムサマータイムピチカート・ファイヴ

(アルバム「カップルズ」)

今回の選曲テーマは「私の夏、人生の夏」でもあったので迷わずこの曲を選びました。ピチカートの三人のヴォーカリストのなかで私がいちばん好きなのは初代 佐々木麻美子さんです。


有給休暇/松本伊代

(アルバム「プライベート・ファイル」)

熱心な小西さんファンの方なら次がこの曲なのは納得いただけると思います。ピチカート・ファイヴカップルズとほぼ同じアレンジのソフトロック歌謡です。ちなみに今年の夏は有給休暇どころか夏休みも取れませんでした。


私の人生、人生の夏/カヒミ・カリィ

(アルバム「GIRLY」)

夏の終わりが近づくと必ず聴きたくなる私の夏ソングNO.1です(ヘッド博士ファンジン編集人としてはあるまじき発言ですが)。小西さんいわく「老年の男性がパンイチで過ごす夏に似合う曲」らしいです。もちろん私はパンイチで夏は過ごしません。


戦争は終わった/ピチカート・ワン fea. YOU

(アルバム「わたくしの二十世紀」)

やや強引なつなぎでしたがやはりこの曲は外せませんでした。「戦争は終わった」というタイトルなのに「戦争はたぶんなくならないだろう」と歌う矛盾が今も世界中で続いています。


キス/岩本千春

(アルバム「かがみ」)

この曲から小西さんが描く「恋人たち」が選曲テーマです。小西さん得意の意地悪で小悪魔な女の子の歌でドイツのHCFDM DJ ル・ハモンドインフェルノが監修した渋谷系コンピレーション「sushi 3003」に収録された曲でもあります。


君には歌いたいことなんてないのに/矢舟テツロー

(アルバム「うた、ピアノ、ベース、ドラムス」)

現在の小西さんのライブに欠かせない歌うピアニスト、矢舟テツローさんによる「君に歌いことなんてない」と言いながらも「それでも伝えたいがある」と決意する男の揺らぐ恋心の歌。小西さんプロデュースによるニューアルバム「矢舟テツロー ベリッシマを歌う」が楽しみでたまりません。


日曜はダメよ/三浦理恵子

(シングル「日曜はダメよ」)

矢舟さんのジャズの後に三浦理恵子さんのテクノポップはDJ的にはアウトなつなぎですが、君に伝えたいことがあると意気込む男の子を忙しくて相手にする暇はないのよとかわしつつ土曜日なら少しだけと甘える女の子という対比がおもしろいかもと強引につなぎました。

 

衛星中継/ピチカートファイヴ

(アルバム「女王陛下のピチカート・ファイヴ」)

この曲は単に最近の小西さんのライブでのジャズアレンジが素晴らしく久しぶりに聴きたかっただけですが、テレビの衛星中継という言葉はいつの間にか死語になってたなぁと改めて気づきました。

 

生きる/和田アキ子

(シングル「帰り来ぬ青春readymademix2004」)

ここからは終盤なのでテンポをあげていきました。小西さんいわく和田アキ子さんは「いい歌詞だけどバラードだったら紅白で歌ったのに」とのことですが、シリアスな内容になりがちな「生きる」というテーマを明るいソウルに仕立てたのは小西さんの素晴らしいアイデアだと思います。後付けになりますがこの日にわざわざ駆けつけてきてくれ二十年ぶりに再会できた、かつて双子と周りから呼ばれた友人MJ君に捧げます。


かなしいうわさ/スクーターズ

(アルバム「女は何度も勝負する」)

今年2月10日に信藤三雄さんが亡くなって以来、この曲の歌詞が重く響くようになりました。これからの人生で私があと何回DJをできるかはわかりませんが、自分が回す時はフロアのお客様が一時だけでも日頃のしがらみを忘れられるような選曲を心がけたいと改めて感じます。


陽のあたる大通り/小西康陽

(シングル「陽の当たる河馬」)

つらつらと書いてきましたが今回DJをやりたかった本音を白状すると、小西さんのコットンクラブでのライブでこの7インチを手に入れたものの、家のレコードプレイヤーが壊れて聴けないままだったからです。ようやく聴くことができました。

 

改めて私のわがままをきいてくださったあーるさん、Bar DOCTOR HEADのやなぎはらさん、来てくださったお客様、そして付き添ってくれた妻に感謝します。できれば私よりレアな小西さん楽曲を持っている方や楽しく踊れる小西さんを回せる方々の協力を得て、今度はイベントとして「小西康陽を回す」ができればと早くも妄想しています。近いうちにお会いしましょう。

 

2023年9月8日 トオルa.k.a.スケル


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