Caetano Veloso & Ivan Sacerdote/Caetano Veloso
Octgono/Rodrigo Carazo
Vata/Marcos Ruffato
Untitled(Rise)/Sault
What You Gonna Do When The Grid Goes Down?/Public Enemy
北へ向かう/寺尾紗穂
アダンの風/青葉市子
前夜 ピチカート・ワン・イン・パーソン(Live)/ピチカート・ワン
We Hear The Last Decades Dreaming/Chari Chari
Cosmic Suite/井出靖
2020年のベストアルバムを選ぶにあたって当然コロナ禍についてふれることは避けられないのだろうが、いざ選盤してみると正直なところそれほど自分の音楽の聴き方に影響があったとは思えない。
ステイホーム期間も4日間休業日があっただけで片道1時間の通勤の間に音楽を聴くというスタイルは変わらず、音楽を聴く時間が増えたわけでも減ったわけでもなかったのが大きい。もちろん作り手の製作環境や意識に多大な影響を及ぼしたのは確かだろうが、聴き手としてはそう思えないほど良作に恵まれた年だった。
静謐な音楽を好むのはここ数年の傾向だが、「癒し」を期待して聴いてるわけではなく、むしろ限られた音数の響きによって感覚が研ぎ澄まされることの方が多い。Caetano Veloso、Rodrigo Carazo、Mrcos Ruffatoはラテン圏なので英語以上に歌詞にとらわれないせいもあるが、寺尾紗穂や青葉市子、ピチカート・ワンもChari Chariや井出靖のようなインストゥルメンタルと同じような聴き方をしていた。歌詞の意味の深読みをするというより音やリズムにのった時の言葉の響きにハッとさせられると言えばいいのだろうか。
今年の大きな社会的な動きであったBLMについてもPUBLIC ENEMYやSAULTは関係あるアルバムだが、「やっぱP.E.は最近のヒップホップと違って音が太いな」とか「SAULTのI Just Want TO Danceは“ダンスフロアにも生きる喜び2020”だな」とか、音に夢中になってたのでBLMを象徴する作品という意識もほとんどない。
ただこう思うのは、コロナ禍だろうがBLMだろうが音楽は変わらず楽しみたいという自分の願望であり、現実逃避なのかもしれない。このブログを書いている12月6日の東京都の感染者数は過去最多の602人を記録した。これからどんな音楽が聴けるのか現時点ではわからないが2021年も良作に恵まれることを祈って。