Twitterで募集した「#オールタイムベストライブアルバム」の結果です。ツイートして下さった皆さんありがとうこざいました。
●ベスト10
(※8位以降は同人数があったため計20枚)
1位 Live/Donny Hathaway(1972年)14人
2位 98.12.28 男達の別れ(Live)/フィッシュマンズ(1999年)11人
3位 Stop Making Sense/Talking Heads(1984年)10人
4位 Live At The Harlem Square Club 1963/Sam Cooke(1963年)9人
5位 Live At Leeds/The Who(1970年 )8人
6位 At Budokan/Cheap Trick(1978年)7人
7位 MTV Unpluged In New York/Nirvana(1994年)6人
8位 Kick Out The Jams/MC5(1969年)5人
8位 Live!/Bob Marley & The Wailers(1975年)5人
9位 Curtis Live!/Curtis Mayfield(1971年)4人
9位 Live And Dangerous/Thin Lizzy(1978年)4人
9位 How The West Was Won /Led Zeppelin(2003年)4人
9位 Live At The Grand Olympic Auditorium/Rage Against The Machine(2003年)4人
9位 シブヤROCKTRANCEFORMED状態/ナンバーガール(1999年)4人
10位 Shadows and Light/Joni Mitchell(1980年)3人
10位 Live At The 19th Montreux Jazz Festival/Joao Gilberto(1985年)3人
10位 Live in Japan/Primal Scream(2003年)3人
10位 ずいきの涙ーBest of Bo Gumbos Live Recordingsー/Bo Gumbos(1995年)3人
10位 な・ま・し・び・れ・な・ま・め・ま・い/ゆらゆら帝国(2000年)3人
10位 パブリック・プレッシャー/公的抑圧/Yellow Magic Orchestra(1980年)3人
Spotifyのプレイリストはこちら↓
https://open.spotify.com/playlist/46xpE8xYoNSpnFTQlPFBhf?si=CisDxbK-TSGBu1EM3IirvA
(便宜上アルバムの1曲目。Joao GilbertはSpotifyになし)
●募集要項
・期間:2020年10月26日~11月2日
・Twitterでハッシュタグ「#オールタイムベストライブアルバム」で洋楽・邦楽問わず10枚を選盤(ブートレグは無し)
●集計要項
・60人(うち私のフォロー・フォロワー15人)
※私の選盤は主催者であるため集計結果に含んでいません
・洋楽・邦楽問わず10枚まとめて挙げた方
※9枚または10枚以上まとめて挙げた方も対象(ジャケット画像のみでツイートした方も多かったため)
※1枚または1枚ずつ、9枚未満のツイートは含まない
・対象者が挙げたアルバムを人数で集計
※「#洋楽オールタイムベストアルバム100」など他のベスト企画の募集に支障が出ず短期間で気軽にツイートできるよう10枚の順位付けはあえて行わなかったので対象者がベストワンだと考えるアルバムが集計結果に反映されているとは限らない(もともと集計は予定しておらず【参考記録】としている理由)
●個人的な感想
Twitterで音楽情報を追っている方ならおわかりだと思いますが、ツイートのきっかけはJMXさんの「#みんなが選ぶ邦楽オールタイムベストアルバム100」です(リンクを快諾頂いたJMXさんに感謝します)。
https://www.mybackpages-jmx.com/twitter-japanese-album-best-100-2020-2159
このランキングでライブアルバムがほとんどランクインしておらず「そういえば自分もライブアルバムは選盤してなかった」と気づきました(「#みんなが選ぶ洋楽オールタイムベストアルバム100」では募集条件外となっています)。
ライブアルバムはベストアルバム的な意味合いもあるため自分も選盤から外していたのだと思いますが、アーティストによってはライブアルバムが代表作としと挙げられることもあります。今年はコロナ禍で多くのライブやフェスが中止に追い込まれ配信ライブが主流になっているので、ライブアルバムの意義を考える上でも良い機会だと考えました。
集計結果は洋楽に関しては名盤とされるアルバムが揃いました。1位のDonny Hathawayの「Live」(1972年)に関しては彼の代表作として挙げられることも多く、あらゆるジャンルのリスナーから支持されました。3位のTalking Headsの「Stop Making Sense」(1984年)も同名のドキュメンタリー映画とともに名盤として語られることが多いライブアルバムと言えます。ロック/ソウル以外では10位にJoao Gilberto(1985年)の「Live At The 19th Montreux Jazz Festival」(1985年)がランクインしました。ブラジルはライブアルバムのリリースが盛んであり、Joaoのこのライブアルバムもスタジオアルバムと同等に評価の高い一枚です。
一方、邦楽に関しては「#みんなが選ぶ邦楽アルバムベスト100」でも「空中キャンプ」(1996年)が3位になったフィッシュマンズの「98.12.28 男達の別れ(Live)」(1999年)がTalking Headsを抑えて2位にランクインし、洋楽のライブアルバムとともに選んだ方が多かったのが特徴でした。8位のナンバーガール「シブヤROCKTRANCEFORMED状態」(1999年)も同じように洋楽リスナーから支持され、付け加えるとナンバーガールは「サッポロOMOIDE IN MY HEAD」(2003年)を選んだ方が2人いました。ゆらゆら帝国も「な・ま・し・び・れ・な・ま・め・ま・い」(2000年)が10位に入り、90~00年代に活動し今もなお評価の高いバンドがランクインする結果になりました。一方、「#みんなが選ぶ邦楽アルバムベスト100」で議論を呼んだはっぴいえんど、山下達郎は10位以内にはランクインせず、邦楽ベテラン勢ではYMOのみで洋楽とは異なる結果だったこともふれておきたいと思います。
最後にランクイン以外ですが、「フルトヴェングラー指揮/バイロイト管弦楽団 ベートーヴェン交響曲第九番『合唱付』」(1951年)を挙げられた方がお二人、その内のお一人がロックのライブアルバムに混じって選んでいたのは印象に残りました。
(Spotifyにはないですが中古CDでも比較的安価で手に入ります)
今年で生誕250周年を迎えるベートーヴェンの交響曲第九番は一般的にもクラシックでもっとも知られた楽曲で数多くの録音が現存しますが、なかでもフルトヴェングラーはこの曲に強いこだわりを持ち現役盤のCDだけでも50枚以上あります。お二人が挙げられた1951年EMI盤は第2次世界大戦後、初めてドイツのバイロイト音楽祭が再開された初日に演奏された実況録音盤で、戦時中はナチスへの協力者とみなされていたフルトヴェングラーがその誤解を解くべく全身全霊を傾けた渾身の演奏というエピソードもあって得も言われぬ高揚感に満ちており、ポピュラーミュージックのリスナーにも充分聞き応えがあるライブアルバムだと思います。
クラシックは同じ作曲家の曲でも指揮者・演奏者によってかなり異なりその違いを聴き比べるのがリスナーの楽しみでもあり、しかもライブ録音つまり一発録りがほとんです。古来、音楽はもともと生演奏で聴くものであり、今回ランクインしたアーティストもスタジオ録音の前に最初はライブから始めた場合が多いと思います。その意味でライブアルバムは音楽の本来の姿を伝えるものなのかもしれません。
ただ、DVD/Blu-rayが普及しYouTubeなどネットでも気軽にライブ映像が見られるようになり、ライティングや映像などの技術の発達でライブ演出が進化するなか、残念ながら音だけのライブアルバムはもはや時代遅れなのかもしれません。その意味で2020年のコロナ禍のタイミングでオールタイムベストライブアルバムを企画できたのは結果的には良かったのではと思います。
最後にもう一度ツイートして下さった皆さん本当にありがとうこざいました!