#2022年ベストアルバム


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Dragon New Warm Mountain I Believe In You/Big Thief

物語のように/坂本慎太郎

Warm Chris/Aldous Harding

I Don't Know Who Needs To Here This/Tomberlin

Weather Alive/Beth Orton

New Age Attitudes/Amanda Sum

Kanata/Justin Orok

Alone Together/Johanna Linnea Jakobsson

Winter Spring/Allison Wheeler

Still Life/Sachal Vasandani, Romain Collin

Nada Tropical/Glue Trip

Passaros/Gustavo Infante

Estela Acesa/Sessa

De Todas Las Flores /Natalia Lafourcade

はじまりのとき/アン・サリー

夜の庭/畠山美由紀、藤本一馬

Cosmic Suite2ーNew Beginningー/井出靖

Quiet Music Under The Moonー月のおと/calm

DOKI DOKI/サニーデイ・サービス

I  LOVE FISH/Pine Barons

 

 

すでに多くの人が指摘している通りコロナ禍から2年が経ち、パンデミックのなか音楽(を含めてすべてのカルチャー)の意義が問われたことを経験し、ミュージシャン達が改めて個々の音楽に向き合ったためか、今年は例年になく豊作の年だった。毎年ベストアルバムは10枚を選んでいたが今年は絞りきれずベスト20にした(それでもかなり悩んだが)。

 

同率1位がBig Thiefと坂本慎太郎。Big Thiefは2枚組1時間20分の大作であることが話題にもなったが、一時間半の長距離通勤をしている私にはちょうど良かった。もちろん長さだけでなく4ヵ所のスタジオで4人のエンジニアによって録音された音は、まさにパンデミックを経た結束感のあるバンド・サウンドだった。坂本慎太郎もいい意味で場末のキャバレーの箱バンドのようなどこか虚しさのある音で、「そろそろコロナ禍も飽きたし陽気に行こうぜ!」とはならないのが坂本慎太郎らしいと思った。

 

他の18枚のアルバムは同率2位で大まかに分けてシンガーソングライター5枚、ジャズ・ヴォーカル3枚、南米4枚、邦楽6枚。

 

シンガーソングライターは、相変わらず聴きやすいのにどこかクセのあるAldous Harding、祈りを捧げるように静謐なTomberlin、幽玄な響きのなかにリズムの力強さもあったBeth Ortonn、フォークサウンドを基調にしつつソウルやジャズを適度に取り入れたAmanda Sum、King Of Convenienceのように優しいアコースティックなJustin Orok。

 

ジャズ・ヴォーカルはThe BeatlesのShe's Leaving Homeのカヴァーをはじめ美声を聴かせてくれたJohanna Linnea Jakobsson、バックバンドの躍動感あるサウンドも良かったAllison Wheeler、Romain Collinのピアノをバックにしっとり歌うSachal Vasandani(彼のカヴァーで初めてBillie Eilishをちゃんと聴いた)。

 

南米はブラジルのバンドとカテゴライズするのは難しいほど多様なメロディとリズムのGlue Trip、ギターだけで静謐という言葉では足りない豊かな響きを奏でたGustavo Infante、スピリチュアルかつメロウなSessa、相変わらずチャーミングでありながらサウダージ(郷愁)感あるヴォーカルのNatalia Lafourcade。

 

邦楽は20~30代の頃から聴き続けてるミュージシャンばかりだがどれもデビュー作のような新鮮さを感じた。アルバム・タイトル通り新たな「はじまり」を感じたアン・サリー、器楽的な演奏を取り入れた畠山美由紀と藤本一馬、多彩なゲストを迎え衰えないクラブ・ミュージックを指揮した井出靖、初めてのノン・ビートのアルバムで改めてメロディの美しさがより際立ったcalm、聴いてて本当に"DOKI DOKI"し歌い出したくなるサニーデイ・サービスアメリカのインディーバンドだがフィシュマンズの英語歌詞カヴァーアルバムで驚かせてくれたPine Barons。

 

来年以降、この豊作が続くかどうかは今の段階ではもちろんわからないが今のところは今年愛聴したアルバムを繰り返し聴きたい。すでに半世紀以上生きた私だが「過去でも未来でもなく今に生きる私の弱き心をそのままに」(絵はがきのマリア/木下ときわ)。


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